CHAIR

チェア

 名作家具 

絶大なる知名度、一目でそれと分かる個性的なデザイン、確かな品質、そして所有する満足度etc. どれをとってもハイレベルな逸品を、数ある名作の中から厳選しました

Herman Miller

Eames Molded Plywood Chairs
イームズプライウッドチェア

チャールズ&レイ・イームズ

イームズプライウッドチェア

1946年に世界で初めて3次元曲面加工による成形合板(プライウッド)で作られたチェアとして、歴史にその名を刻む逸品。これを手掛けたチャールズとレイのイームズ夫妻は、以降、ハーマンミラーとともに成形合板やFRP、ワイヤーを使った画期的な家具を開発。近代ミッドセンチュリーブームを牽引するモダンデザインの旗手として活躍しました。身体にフィットするように軽量のベニアシートをプレス成形したこのチェアは、デザイン性もさることながら快適性も兼ね備えているのが特徴です。また、一目でイームズと分かるこのデザインは、アメリカのタイム誌から20世紀最高のデザインにも選出されています。アイテムはラウンジチェアとダイニングチェアの2種類。どちらも脚部はウッド素材かスチール素材のいずれかを選べます。

Knoll

Barcelona Chair
バルセロナチェア

ミース・ファン・デル・ローエ

バルセロナチェア

ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライトとともに、近代建築の三大巨匠と呼ばれるミース・ファン・デル・ローエ。20世紀のモダニズム建築を代表するドイツ人建築家で、「Less is more(より少ないことは、より豊かなこと)」や「神は細部に宿る」といった名言を残したことでも知られています。このチェアは、1929年に開催されたバルセロナ万国博覧会で、ミースがドイツ館の設計を手掛けた際に、スペイン国王夫妻が臨席されたときのために作られたもの。ミース本人から家具の製造販売権を取得しているノルは、1938年に設立されたアメリカの家具メーカーです。バウハウスの精神を基本理念とし、エーロ・サーリネンやハリー・ベルトイアなどの著名デザイナーの家具を発表し、現在も完成度の高い家具を多数世に送り出しています。

バルセロナチェア

バルセロナチェア

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Cassina

LC4

ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、
シャルロット・ペリアン

LC4

スイス生まれのフランス人建築家、ル・コルビュジエと、彼の従兄弟であるピエール・ジャンヌレ、そしてフランス人デザイナーのシャルロット・ペリアンとの共同作業から生まれた家具シリーズのひとつ。シェーズロング(寝椅子)タイプのLC4は、1929年のサロン・ドートンヌで発表されました。身体のラインに合わせてデザインされた背のカーブと、角度を自由に変えられるフレームの構造によって、コルビュジエ自身が「休養の為の機械」と呼んでいたとおり、素晴らしい座り心地を実現。高い快適性と優雅なデザインを兼ね備えたLC4は、ニューヨーク近代美術館にも所蔵されています。シート地は、革や毛皮のほか、キャンバス地も選択可能。スチールフレームとシート地を黒でまとめたNOIRE(ノワール)という派生モデルもあります。

LC4

LC4

  • LC4
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ClassiCon

Bibendum
ビベンダム

アイリーン・グレイ

Manufacturer ClassiCon authorised by
The World Licence Holder Aram Designs Ltd.

ビベンダム ©www.classicon.com ©www.classicon.com

Manufacturer ClassiCon authorised by
The World Licence Holder Aram Designs Ltd.

ミシュランタイヤのキャラクターを彷彿とさせるフォルムから「ビベンダム」と名付けられたチェア。デザインしたアイルランド出身のアイリーン・グレイは、巨匠ル・コルビュジエがその才能に嫉妬したといわしめた当代一の女性デザイナーです。洗練されたスチールパイプのベースによってシートが浮遊しているように見えるこのチェアは、ニューヨーク近代美術館の永久コレクションとして所蔵されているサイドテーブルなどとともに、アイリーン・グレイ自身の別荘として設計した名建築「E-1027」のために作られた家具シリーズのひとつです。1990年に誕生したドイツの家具メーカーであるクラシコンは、アイリーン・グレイの作品を始め、クラシックとコンテンポラリーの両翼からなるプロダクトを生産し展開しています。

ビベンダムphoto-hassos

ビベンダムphoto-hassos

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CUERO/ロイヤルファニチャーコレクション

BKF Chair
BKFチェアー

アントニオ・ボネット、フアン・クルチャン、
ホルヘ・フェラーリ=ハードイ

BKFチェアー

アルゼンチン出身のデザイナーであるアントニオ・ボネット、フアン・クルチャン、ホルヘ・フェラーリ=ハードイによって1938年にデザインされた組立式のチェア。バタフライチェアの愛称でも知られるこのチェアの名称「BKF」は、3人の頭文字に由来します。彼らはル・コルビュジエの元で働いていましたが、19世紀後半にイギリスのジョセフ・フェンビーが考案した木製フレームの折りたたみ椅子にインスピレーションを受けてこのチェアをデザインしました。そのためか、モダニズムの巨匠の面影はあまりうかがえません。それでも、1940年代にアメリカで製品化されるや大ヒットしました。2005年から、スウェーデンのクエロがBKFチェアの再生産をスタート。キャンバスではなくイタリアから取り寄せた最高品質のレザーを採用し、大成功を収めました。

BKFチェアー

BKFチェアー

BKFチェアー

  • v
  • チェスター
  • チェスター

Vitra

Organic Chair
オーガニック チェア

チャールズ・イームズ&エーロ・サーリネン

オーガニック チェア

1940年にニューヨーク近代美術館で行われた「住宅家具のオーガニックデザイン」コンペで優勝したデザインをもとに、現在の技術で量産すべく2004年に復刻されたチェアです。コンペ名にちなんで、「オーガニック チェア」と名付けられました。偉大なデザイナーとして歴史に名を刻むチャールズ・イームズとエーロ・サーリネンが、まだ30代だった頃の作品です。ミッドセンチュリーのアメリカにおけるモダニズムデザインのなかで、その後の家具デザインに多大なる影響を及ぼしたオーガニックチェアを製品化したヴィトラは、1950年に創業したスイスのメーカーです。もともと店舗什器を製造していましたが、創業者のウィリー・フエルバウムがイームズ夫妻と出会い、家具の製造販売権を獲得したのをきっかけに家具生産に乗り出しました。

オーガニック チェア

オーガニック チェア

オーガニック チェア

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FRITZ HANSEN

EGG
エッグチェア

アルネ・ヤコブセン

エッグチェア

1902年にデンマークで生まれた建築家のアルネ・ヤコブセンは、モダニズムをデンマークのデザインに取り入れた最初のデザイナーとして知られています。このエッグチェアは、彼が設計から調度品のデザインまで携わった1960年オープンのSASロイヤルホテルの為に作られました。卵の殻のように身体を包み込み、周りとは異なる空間をつくる特徴的なフォルムは、ヤコブセンが自身のガレージでワイヤーと石膏を使った試作を繰り返し、誕生したと言われています。コペンハーゲンの中心部にあるホテルのロビーには、デンマークデザインにおける不朽の名作と呼ばれるこのチェアが現在も使われています。1872年にデンマークで設立されたフリッツ・ハンセンは、ヤコブセン等との数々のコラボレーションを通じデンマークデザインを世界に知らしめた老舗家具メーカーです。

エッグチェア

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Cassina

LADY
レディ

マルコ・ザヌーゾ

レディ

1951年に行われた第9回ミラノ・トリエンナーレで発表されたチェア。これをデザインしたマルコ・ザヌーゾは、建築家や大学の講師、雑誌ドムスの共同編集者など多方面で活躍。イタリアのモダンムーヴメントを先導した一人です。レディは、タイヤで有名なイタリアのピレリが成形ゴムを使った家具の開発をザヌーゾに依頼したことが始まりでした。スチールのフレームの左右に渡した数十本のゴムベルトを成型した発泡ゴムで覆い、張地を被せた手法は、それまでのクッションよりもデザイン性に優れるほか、良好な座り心地も実現。モダンなデザインもさることながら、家具づくりの技術革新や素材革新において重要な役割を果たしたプロダクトであることもレディの魅力のひとつです。現在の製品は素材と製法が改良されており、さらに快適さが向上しています。

レディ

レディ

レディ

Cassina

CAB
キャブ

マリオ・ベリーニ

キャブ

1977年の発表以来、イタリアのカッシーナを代表するチェアとして、そしてイタリアンモダンデザインの象徴として君臨する名品。スチールフレームに高級な厚手の皮革をすっぽりと被せるという画期的な発想によって誕生したこのチェアは、ニューヨーク近代美術館のコレクションに選ばれるほど秀逸なデザインもさることながら、しっくりと馴染む背もたれのフィット感と抜群の座り心地が魅力です。革製の馬具に用いられるサドルステッチで縫製された最高級のなめし革は、使い込むほどに身体にますます馴染んでいき、味わいと愛着が深まります。デザイナーのマリオ・ベリーニは、60年代以降のイタリアンモダンデザインの本流とされるデザイナー。カッシーナやB&Bイタリアなど、イタリアの高級家具メーカーの顔となる作品を数多く手掛けています。

キャブ

キャブ

photo credits : DePasquale + Maffini
Cab chair designed by Mario Bellini

  • キャブ
  • キャブ
  • photo credits : DePasquale + Maffini
    Cab chair designed by Mario Bellini

Herman Miller

Aeron Chair
アーロンチェア

ビル・スタンフ、ドン・チャドウィック

アーロンチェア

デザイナーのビル・スタンフとドン・チャドウィックが手掛けたアーロンチェアは、1994年に発表されて以来、オフィスチェアの決定版として世界中で高い評価を受けています。ウレタンフォームや布、レザーといった従来のオフィスチェアではスタンダードだった素材を廃し、ペクリルと呼ばれる画期的な極薄メッシュの張地を採用することで、血流を停滞させる圧力を取り除き、マテリアルに縛られたデザインの限界を広げることに成功しました。そして2016年には、オフィス環境やワークスタイルの変化を受け、さまざまな改良が施されたリマスター版が登場。より精密なチルトメカニズムや調整可能なポスチャーフィットSL、そして8Zペリクルサスペンションを備え、オリジナルを凌駕する優れた性能で、ユーザーのパフォーマンスを一層高めてくれます。

アーロンチェア

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Artek

Karuselli Lounge Chair
カルセリ ラウンジチェア

ウルヨ・クッカプロ

カルセリ ラウンジチェア

フィンランド人デザイナーのウルヨ・クッカプロが1964年に発表した「カルセリ ラウンジチェア」。カルセリとはカルーセル(回転木馬)のこと。FRP製のシェルの左右各1点をU字形のパーツで支える構造によって、前後にリクライニングし最適なポジションが得られます。シートの厚みが程良く、身体全体をバランス良く支えてくれるためストレスがないのも大きな魅力です。「私のデザインは機能主義が原点」と話すクッカプロだけあって、カルセリで追求された機能は、かつてないレベルの気持ちよさを実現しています。眺めるだけではなく、座って愉しみたいチェアです。ちなみに、身体を優しく包み込むようなシェルのフォルムは、クッカプロが娘と雪遊びをしてる時に、雪原に座ってできた凹みを見てデザインを思いついた、という逸話が残っています。

カルセリ ラウンジチェア

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CARL HANSEN & SØN

CH71

ハンス J. ウェグナー

CH71

デンマークを代表するデザイナーであるハンス J. ウェグナーは、500脚以上デザインしたチェアのほとんどが名作として知られている「椅子の巨匠」です。彼の代表作であるCH24(Yチェア)は、1950年から継続して生産されているほど。そんなウェグナーが1952年に発表したCH71は、バランスの取れた美しいプロポーションに加え、極上の使用感をコンパクトなフォルムで実現したラウンジチェアの逸品。優雅な曲線を描く細身のフレームに施される張地加工には、家具職人としても一流だったウェグナーの知識や経験が反映されています。1949年からウェグナーとの共同作業を開始したカール・ハンセン&サンは、1908年創業の老舗メーカー。現在も最新設備を駆使した機械による加工と職人の手作業を合わせた高品質な家具作りを行っています。

CH71

CH71

CH71

  • CH71
  • CH71
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FRITZ HANSEN

ANT
アリンコチェア

アルネ・ヤコブセン

アリンコチェア

その姿からアリンコチェアと呼ばれるこのチェアは、1952年にアルネ・ヤコブセンが手掛けた最初の背座一体型の成形合板の作品です。背もたれと座面が一体となった3次元成形を可能にするため試行錯誤した結果、名称の由来にもなるくびれをもった特徴的な形状が生まれました。エレガントなフォルムのシェルは、9層(デコ・シルエットは8層)の合板で構成されているため、驚くほどの強度を備えています。オリジナルは、丸テーブルにも収納しやすい前1本、後ろ2本の3本脚でしたが、現在は4本脚仕様も選べます。シェルのカラーバリエーションが16色と豊富かつ、脚部の色も7タイプ用意されていますので、組み合わせの自由度がとても広いのもアリンコチェアの魅力。またスタッキングが可能で積み重ねてコンパクトに収納できるので、ゲスト用のチェアとしてもおすすめです。

アリンコチェア

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B&B Italia

Serie Up 2000
アップ2000

ガエターノ・ペッシェ

アップ2000

前衛的なデザインの多いイタリア製家具の中でも、一際異彩を放つアップシリーズ。1969年の発売当初から、デザイン界でも傑出した作品として称されてきました。これを手掛けたイタリア人のガエターノ・ペッシェは、建築からインテリアデザイン、グラフィックデザインまで幅広い分野で創作活動を展開。サイズが異なる7つのモデルからなるシリーズのなかでも、アップ5_6は特に有名。大型のチェアである5と、オットマンの6がセットになったこの作品は、巨大な子宮を思わせる形と先史時代の豊穣の女神の像を思わせ“ドンナ”あるいは“マンマ”チェアとも呼ばれています。2000年に復刻版として登場し、2004年にはやや小振りなサイズのアップジュニアもラインナップに加わっています。

アップ2000

アップ2000

アップ2000

  • アップ2000
  • アップ2000
  • アップ2000

Artek

STOOL 60
スツール60

アルヴァ・アアルト

スツール60

アルテックは、フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトと妻のアイノ・アアルト、アートコレクターのマイレ・グリクセン、ニルス=グスタフ・ハールらが1935年に設立しました。アルテックを象徴するプロダクトのひとつとして世界的に有名なのが、アアルトが1933年にデザインした「スツール 60」です。フィンランドバーチ材を直角に曲げる技術「L-レッグ」を応用したシリーズのひとつで、スツールとしてはもちろん、サイドテーブルやディスプレイ台としても使える汎用性が魅力です。特徴的な3本の脚は、脚部をずらして載せることでスタッキングも可能。自然素材を巧妙に取り入れたモデニズム建築の巨匠として活躍したアアルトの功績を讃え、ユーロ以前のフィンランド紙幣には彼の肖像が使われていました。

スツール60

スツール60

スツール60

天童木工

バタフライスツール

柳宗理

バタフライスツール

ジャパニーズモダンの代名詞的なスツールとして、ニューヨーク近代美術館に収蔵されているバタフライスツール。まるで羽を広げて宙を舞う蝶々のような独創的なシルエットは、同じ形の2枚の成形合板を真鍮金具でジョイントしたミニマルな構造によるもの。成形合板の厚さはわずか7mmで繊細な印象がありますが、1mm程度にスライスした単板の木目方向が交差するように一枚ずつ重ね合わせることで高い強度を確保しています。構想から3年以上の歳月を要し完成したバタフライスツールの開発には、日本でいち早く成形合板による家具づくりを始めた天童木工の高い技術力が不可欠だったと言われています。同社は柳宗理をはじめ、剣持勇や丹下健三といった日本の近代建築を牽引したデザイナーとのコラボレーションも多く、数々の名作家具を生み出しています。

バタフライスツール

バタフライスツール

バタフライスツール

  • バタフライスツール
  • バタフライスツール
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